IT企業に就職しようと思い企業研究を始めたら種類が多すぎて、よく分からない人も多いと思います。
そこでよく目にする業界分布がこの4つ
- 「インターネット業界・Web業界」
- 「情報処理サービス業界」
- 「ソフトウェア業界」
- 「ハードウェア業界」
さらにこの中でベンチャー企業、上場企業と分かれます。
しかし、この4つの分け方は大まかすぎて全然意味がありません。曖昧なまま内定を頂いても、あなたが実際に入社した時にイメージと違うなんてことも。
僕が就活生の時はIT業界に絞っていたものの、軸がブレブレだったので下記に書いてある業種を全部受けていました。今考えるととても非効率なことをしていたと思います。まぁそのお陰で今記事が書けているんですが・・・!
企業研究は早いに越したことはありません。早いうちに入りたい業界を決める事で自然と目標ができちゃいます。
あなたが入りたい企業は分布のどこにあたるのか、しっかり業界研究をしてから就職活動を始める事でスムーズに内定をゲットしましょう!
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第三回目はSIer編です。
- システムエンジニアを目指している人
- 就職活動でIT企業に絞っているけど、そこから絞り込めていない人
- IT業界の大まかな業界分布は知っているけど、もっと詳しく知りたい人
目次
SIerとは?
SIerとは「システムインテグレーター(System Integrator)」の略語で、「システムを構築する会社のこと」です。
SIerの仕事は、企業が求めるシステムを導入(運用に載せる)する仕事です。なのでビジネスモデルはBtoBとなります。
仕事の例:ABC銀行が新しいATMのシステムを導入したい!と思ったらSIerは以下の手順で構築します。
- システム開発の仕事の受注
- 要件定義
- スケジュールの計画・予算管理
- 設計
- 製造(プログラミング)
- 検証
- 導入・納品
- 運用・保守
最初の図でも示した通り、SIerは元請け、下請け、孫請けなどの、所謂ゼネコンのような仕組みで成り立っています。
上記の工程を参考にすると、元請けの企業は1~4の工程。下請けの企業は5~7の工程。と分けている企業が多いです。
ただでさえイメージが付きにくいと思いますが、さらにここから3つに分類されます(ややこしや~)
それが独立系、ユーザー系、メーカー系と呼ばれるものです。
独立系SIerのビジネスモデル
独立系SIerとは、親会社が無く、ソフトウェア系のシステム開発をメインで進めています。
独立系SIerと一括りに言っても、企業ごとに色があり、銀行のお仕事を多く受けている企業や、Web系のお仕事をメインに受けている企業など様々です。
Web系のお仕事って何?という人は→Vol.2 Web系編(自社サービス)を参考までにドウゾ!
大手:トランス・コスモス、富士ソフト、大塚商会、など
メリット
独立系SIerは、メーカー系とは違いシステム構築の際のソフトウェアやソフトウェアの製品を自由に選定できるので、色々なメーカー製品を組み合わせ自由にシステムを構築することができます。このため、クライアントの要望に合わせ優位性の高いサービスを提供できることが独立系ならではのメリットです。
また、親会社がないので系列会社による制約も一切なく、受注さえできればどんな案件にも携わることができ、幅広いスキル・知識を身に着けることができる点も独立系の魅力です。
デメリット
利益がシステム開発のみでしか上げることが出来ないという点です。そのため、利益率は低くなってしまいます。
人件費にかける比重が非常に大きくなっています。システム開発における利益を上げるために、人件費を少しでも削ろうとする企業もまた少なくありません。人件費が安いということは、報酬の低さに繋がってしまうこともあります。
ユーザー系SIerのビジネスモデル
民間企業の情報システム部門が独立したソフトウェア会社(自社、子会社、関連会社)をいいます。業態としては、銀行、商社、電力、証券、交通、流通、運輸など多岐に渡ります。
例:元々ABC銀行の中にシステム開発部があった→株式会社ABCソリューションズとして独立→ABC銀行のシステム開発・運用を行う
主な仕事内容は、親会社のシステム開発や構築、保守や運用構築となっています。システムを効率的に使用するための提案や可視化をはじめとして、コスト削減の実践まで及んでいます。
大手:野村総合研究所、新日鉄住金ソリューションズ、NTTコムウェア、SCSK、など
メリット
ユーザー系SIerは特に安定した働き方がしやすいというメリットがあります。これは発注元が親会社であるため、コンスタントに仕事が発生しますし、独立させるほどの業務ですから、大手で経営規模も大きいため、地盤がしっかりしていて、運営資金も豊富であることが多いです。
親会社が銀行など、安定した事業であるほど不況にも強いと言えるでしょう。
デメリット
担当出来る仕事の幅がどうしても狭くなってしまいがちというデメリットが挙げられます。親会社のシステムに関する業務がメインとなってくるため、親会社の業務に関係のない仕事は回ってきません。
幅広い業務にどんどんチャレンジして、多様なスキルを身に着けたい人にはあまり向いていないでしょう。
メーカー系SIerのビジネスモデル
コンピュータメーカー、ハードウェアメーカーの情報処理部門、ソフトウェア開発部門から独立した子会社、または傘下にある会社になります。
独立系SIerとユーザー系SIerの間のような存在であり、親会社経由で受注する案件もあれば、自社の営業で獲得してくる案件もあります。
大手:例:日立製作所系(日立ソリューションズ、日立システムズ)、NEC系(NECソフト、NECシステムテクノロジー、NECネクサソリューションズ)、富士通系(富士通マーケティング、富士通エフサス、富士通エフ・アイ・ピー)、東芝系(東芝ソリューション)、三菱電機(三菱電機インフォメーションシステムズ、三菱電機インフォメーションテクノロジー)、日本IBM系、など
メリット
メーカー系SIerは、大手企業のシステム会社となっています。そのため、経営は安定しており、待遇も良い傾向にある職場ばかりです。独立系SIerのように、案件のたびに勤務先が異動になる可能性は低いため、一か所に腰を据えて働くことが出来るというメリットがあります。
福利厚生が親会社と同じという企業も多いので、企業選びの時に福利厚生を重視している人にはお勧めの業界です。
デメリット
親会社の影響を受けやすいというポイントが挙げられます。良い意味でも悪い意味でも、親会社の景気によって経営の状態が変わってしいます。給与アップやボーナス金額などにも影響が及んでしまうことがあるでしょう。
また、ユーザー系SIerと同じで幅広い業務にどんどんチャレンジして、多様なスキルを身に着けたい人にはあまり向いていないでしょう。
SIerを技術面で選ぶコツ
では、数あるSIer企業を選ぶうえで何を重要視すればよいでしょうか?
基本給や福利厚生はもちろんですが、エンジニアとしては自分の技術の幅を広げることも大切です。
自分の伸ばしたいスキルがその企業で得られるかどうかをよく研究してください。
元請け、下請けでやる工程、給与が変わってくる
元請けか、下請けかでやる工程が変わってくるので給与にも繋がってきます。下請けになればなるほど給与も低くなっていくでしょう。
あなたが上流工程に早くから携わりたいなら元請け企業に入ることをお勧めします。
まとめ
いかがだったでしょうか?最後に企業選びのポイントをまとめてみます。
独立系→会社の色を見る。どんな案件が多いのか。元請けか下請けか。
ユーザー系→親会社の業態は何なのか。何を作っているのか。
メーカー系→親会社の業績は好調かどうか。外部の案件をやっているのか。
元請けの一部上場企業は求める人材に高いレベルを要求します。
技術力に不安があるけどSIerに就職したい!という人はプログラミングスクールでの学習をお勧めします。
また、学業以外で作った成果物を聞かれることが多いので、そのアピールにも使えるので一石二鳥です。
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